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イタリアいなかまち暮らし

イタリアいなかまち暮らし

料理(旧)

(メニュー改新以前の)料理

扱う魚介
庶民的な値段で魚を食べれる店なので、魚介は庶民的で手に入りやすいものしか置いていません。例えば、あさり、シャコ、ムール貝、マテ貝、小さいスカンピ、小さいイカ、タコ、カタクチイワシ、アンコウ、ヒメジ、スケトウダラに似た魚、クロダイ、アジ、スズキ等。

小さい魚が中心です。あさりもイカもアンコウも日本では見たこともないようなミニサイズが安く普通に売っています。1cm以下の巻貝も食べます。長時間ゆでてトマトソースとあえて暖かい前菜の一部にします。

アンコウは一年中取れて人気がある魚です。日本では肝や皮のゼラチンを主に食べるので、鍋の中でずるずるぐにょぐにょのイメージがあって苦手でしたが、こちらでは肝は食べないで、白い身を主に食べます。種類も違うようで、日本のものより身が多く肝が小さいようです。
ちなみに相方もイタリア人の変形で、余った肝を焼いて食べてます。私は身が好きです。魚くささがなく、フグのようです。オーブンで丸焼きがうまい。

日本では欠かせないエビは普通サイズでも高くて、海老だけで一品作ると他の品から飛びぬけて高くなってしまいます。普段は小さいものを盛り合わせにちょっと添える程度です。

メニュー例

前菜;

アサリとムール貝のソテー(オリーブ油とにんにくで味付け)
ムール貝詰め物(貝殻の中に身と、鶏卵とパン粉の詰め物。トマトソース)
オーブン焼き盛り合わせ(スカンピ、マテ貝、ホッキ貝、シャコ、ムール貝などのオーブン焼き)
タコの煮込み
前菜盛り合わせ(8~10種類の前菜がどんどん出てくるというのがシーフード専門店南イタリア式。これだけでおなかいっぱいになってしまう人も...)

パスタ(乾麺と手作り生めん両方あります);

あさりとミニトマトのスパゲッティ
トマトソーススカンピのタリオリーニ(ラーメンのような麺)
ムール貝とジャガイモのタコッツェ(平麺を短くざくぎりにしたもの)塩味
磯のタリアテッレ(平麺)(いろいろな貝類とスカンピが具になったもの)塩味又はトマトソース
スカンピクリームのリゾット(クリームといっても乳製品のクリームは一滴も入っていません。地中海式の「胃に軽い料理」にこだわる相方は、クリームの入った料理は一切出しませんし、この辺の人々も料理の中にクリームが入っているのを嫌います。これはスカンピとトマトをすりつぶして作ったクリームです。)

メイン;

ロースト盛り合わせ
(アンコウ、イカ、ハタ科の魚、ベラ科の魚など、その日によって違う数種の魚のオーブン焼き。パン粉を乗せてオリーブ油をたらしてオーブンに入れるので、かりっとさくっとします)

ズッパ ディ ペッシェ
直訳「魚汁」(トマトソースのシーフード鍋。ムール、シャコ、スカンピ、イカ、小アンコウ、ヒメジなどの小魚。ブイヤベースや北イタリアの魚汁はトマトソース以外にハーブや酢など調味料をいろいろ入れるけど、こっちのはトマトとオリーブ油だけ)

から揚げ盛り合わせ(イカ、スカンピ、小アンコウ、その他小魚)

アンコウのロースト、ジャガイモ添え(30cmほどのアンコウを丸ごと)

サイドディッシュ;

茹でほうれん草
炒めたチコリー
サラダ

デザート;

チーズと梨のタルト
グラス入りティラミス
レモンのシャーベット
季節の果物


日替わりで一日の品数はもっと少ないです。
これはアドリア海沿岸部の典型的な料理です。ほとんどのお客さんは創作料理や日本料理よりも地元の料理を望んでいますからね。
ただしデザートだけは例外です。例えばチーズと梨のタルト。実は私がインターネットで日本のレシピサイトで見て、改良を加えたお菓子なのです。ここの人たちにとっては全く初めてのシロモノのようですが、多くの人がチャレンジして、しかもかなり気に入ってます。
また、チーズケーキも好評です。イタリア人はこれはテレビで見たことがある人は多いようですが、実際に食べれるチャンスは海外や大都会でぐらいしかないようです。
小豆入りクレープというものもたまに作ります。実はこちらの郷土菓子で、ヒヨコマメを潰してチョコレートを混ぜ込んだペースト状のものを具にしたお菓子があるので、豆を使ったお菓子に抵抗がないだろうと思って出してみたのです。結果はこれも好評なようです。

このように食にかたくななイタリア人も、ドルチェにだけは見慣れないものでも心を開く(?)傾向があるようです。

また、前菜盛り合わせの一部もちょっと創作心を出したりしています。前菜盛り合わせは上記の前菜に加えていろいろな料理を日によって変えて出します。例えば、

いわしのマリネ:普通は酢に漬けるのですが相方はは塩に軽く漬けてからオリーブ油に漬けます。酢漬けは酸っぱいだけですがこれだといわしが味わえると好評です。
タコの詰め物:普通はタコに卵とパン粉を詰めて煮るのですが、ウチはもち米と野菜。イカ飯にヒントを得ました。
小さな巻貝の煮込み:料理は普通ですが、相方はちょっとした煮方の工夫でうまいこと身がちょっと出た状態で煮ることができるので、普通爪楊枝でほじくるものなのに、これは指で引っ張って取り出せるのです。
鮭のパイ包み:相方はクリームは入れたくありません。最初は鮭をそのままパイで包んでいました。私からの「ジューシーさがない」というクレーム?で今はリコッタチーズを入れています。
太刀魚の酢漬け:太刀魚を茹でて軽く酢につけたもの。これも相方のアイディア。


ここから一番近い海岸、テルモリの典型的な前菜のひとつに生の魚介があります。そう、南イタリアのアドリア海沿岸では生の貝を食べる習慣があるのです。スカンピや貝の身を、レモンをかけてあるいは何もかけず、そのまま食べるのです。食べるのは具体的に牡蠣、スカンピ、マテ貝、ホッキ貝ぐらいに限られています。イカたこ、魚類は生で食べられないとされます。
ただし日本人にとっての刺身のように誰もが好きというわけではないです。この内陸の町なのですが、食べるのは少数派のようです。ウチでは今のとこ事前の注文があれば作りますが、メニューには載せません。大きなホテルや老舗の魚介専門レストランではメニューに載っています。

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